「憧憬」


好きなものは何ですか。
大切なものは、何ですか。

いつの間にかに時間は流れて
高かったはずの公園の鉄棒は驚くほどに低くなった。
擦り傷を作ることだってもう無くなって
苦い味にも慣れてしまった今。
でもきっと
見えない未来に憧れた、幼い頃のあの気持ちは
まだ君の中にちゃんとあるんだ。
ちょっと思い出してみようよ
懐かしいあの人の、手のひらのぬくもりを
走って帰った夕暮れの、家の明かりの暖かさを。
大丈夫
花には花の色があるように
君にしか出来ないこともきっとあるから。

         
         
         
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