「欠片」


誰もがきっと
どこかで何かを
なくしたり、忘れたり、見失ったり、落としたり
そんな中で歩いている。
今、手のひらの上にあるものが
そのままずっとあるわけじゃない。
さらさら進む時の中で
大事な何かも、知らず指の間から滑り落ちていく。
後から慌てたって
同じ時は二度と帰らないから
出来るならば
その瞬間を大切に抱きしめてあげて。
いつまでもずっと形を変えないものなんて無いんだ。
風の中に散りゆく花弁のように
呼吸の間に薄れ行く虹のように
刹那に透きとおって消えてしまう雪のカケラのように。
きっと綺麗なものほど永遠ではない。
だから
今はこんなにも
時々どうしようもなく切なくて、
きらきらとしているのかもしれないね。
         
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