「プリズム」


見方ひとつで、まるで違ったものに見えてくる事って
確かにあると思う。
一歩下がって見直してみれば
絶対に「是」でしかなかったものが実はそうでなかったり
間違いにしか思えなかったことが
本当は違うんじゃないかって思えてきたり。
きっと君や僕を取り巻く毎日の色々には
幾つもの側面があって
それが見えないだけなのかもしれない。
例えば一つの硝子の欠片だって
同じように光の元へと翳してみても
角度を変えれば映す光の模様も変わって
いろんな色の影が生まれる。
その色々のきらめきの
どの方向が絶対だなんて言えるはずもない。
ねえ、君にはいくつの
光の欠片が見えるんだろう。
その中の、どれか一つだけを選ぶことは
結構難しいんじゃないかな。

         
         
         
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